2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の浜辺で 男は虚ろな目をして佇んでいた 寄せては返す波の波の音だけが 延々と続いていた 男の吸うタバコの火が 小船の灯台かのように 強く光ったり止んだりしていた やがて光はゆっくりと弧を描き 波にさらわれて消えていった 男は夢の中にいた なぜか丁…

道のほとりの岩から 力強く咲く 雑草花名もなく ほとんどの人間の目にはとまらないだろう だが ただひたすら 生きようとしている 人の世も同じで 縁の下の力持ちで 支えられている ちっぽけであっても かれんな花を咲かすことがなくても 誰かはわかってくれ…

青空のもと 伸びゆく真白な雲 鮮やかに穏やかに流れゆく さわやかな秋風が流れゆく 遠くにある空へ向かい 心に白い羽がはえて 羽ばたいてゆく 手にとり希望をつかむんだ チャンスは何度も訪れるはず 今まではつかみとることはできなかったけど きょう確かに…

自由 そんなものは無い 今は自由か ただひとり 自分という名の独房で 許しを請うこともなく 囚われている 自分を解き放つのは 自分だけ はたして できるかい 自分で 自分をめちゃくちゃにしちまった 自分で 自分を甘やかして 夢の中で生きる 空しさ 夢は暗闇…

ちがう 何かがちがうんだ オレは こんな場所にいるヤツじゃない じゃあ いったい なんだってんだ わからないのさ わかるのは ちがうってことだけ やりたいのが何かってことも どこに いたいかってことも だれと 逢いたいのかも わからないのさ

自分の殻の中で 苦しむ 自分の居場所を探し 苦痛はやがて快感に 生きる喜び 魂の歓喜

何もかもがいやになり CDのボリュームを上げ 何もかもを彷彿とし ポルノグラフティの上で 詩を書く 誰に? 自分に? 未来に この現実を なんなく受け入れられる 未来に

晴れた 穏やかな日 いつになく 醜い自分ばかりが 心をめぐる 空の青さが 心に突き刺さる 目に映るものすべての美しさが 残酷に思える 太陽が 自分を襲う フラッシュバックのように すかさず目をそらす 閉じる そうだ 何も見ぬ方がいい でも 見てしまったのだ…

いつの日か パリの屋根裏部屋に 転がり込んで 散歩して 道端の画家の絵を眺め 歩き疲れたら カフェで 一息入れて 詩を書いたり 景色を眺めたり そして アパートメントの アーティストと語り合ったり アヴァンギャルドなものは何かと 試行錯誤し ときには ス…

山田詠美をひとしきり読んで 煙草を吸って 窓を開け 空を眺めると 欠けている月 自分を投影している 読んだのは待ちぶせ しがないホステスの話 もし 自分を映し出してくれる 鏡があるのなら どのようになるのか怖い 人の心は誰でも欠けているんだろうか オレ…