この街を捨てて この街から逃れて
都会へ行った 自由を求めて しがらみを絶った
ボロアパートで食うや食わずで
なけなしの金をはたいて
六本木の居酒屋で 明け方まで友と語り合った
毎日が刺激的だったが それにも飽きてしまった
ニューヨークやロンドンや そんな都市の真似ばかり
東京のうさんくささに鼻をつまんだ


いったい 何をやりたいかもわからなくなっちまってた
逃げ場も居場所もなかった
ただ走り続けた



深夜の新宿をひとり歩いた
何もかもが信じられなくて
ゲイがいたわるような目でオレを見ていた
投げやりに生きていた自分がいやになった
ストリートミュージシャンの唄を聴きながら ため息をついた
裏通りの散らかったゴミのように 自分が思えた
どうでもよかった 未来など信じてなかった
さびれたジャズ喫茶で朝を迎えた


いったい 何をやりたいかもわからなくなっちまってた
逃げ場も居場所もなかった
ただ走り続けた


そして また この街に戻ってきた