秋の夜長に
兼六園へと足を運ぶ
ライトアップされいつもと違う姿をあらわす
道端の燈篭が足元をやんわりと灯し
虚ろにしか見えない地面を歩くと
なにか雲の上を歩いてるかのような気になる
いくつもの橋を渡り
川のせせらぎだけが聞こえてきたり
すでに紅くなったもみじが浮かび上がっていたり
幻想的に庭園が包まれている


しばし 休もうと時雨亭へ
厳かな雰囲気の中で
丁寧に雪づりという名の菓子が運ばれ
抹茶をもてなされる
窓から見える
池に浮かぶ燈篭の灯りとともに揺れる篠笛
茶室に飾られた 書 花 茶器
どれをとっても粋で行き届いた心を感ずる
篠笛の音をかすかに聴きながら
恐れ入ったと心を打たれ時雨亭を後にする