まるで ゴミ捨て場から寄せ集めたようないろいろなテーブル 不揃いな椅子
それがなんだか心地いい
ポップアートだって キャンベルの缶が捨てられて錆び付いて
土に還ろうとするとき それがアートなんじゃない


LIVE HOUSE の壁には 平和を願うアーティスト達の絵が飾ってあり
世界中の平和を実現しようとしている
地球上のすべての人たちが平和を願っている
アメリカ人もイラク人も どんな神を信じている人も
他の何かを信じている人も
兵士たちも 多分テロリストたちだって 平和を願っている
それなのに争いは絶えない 何故なのか わからない


シェイカーを振っているマスターの傍らで やかんの湯が沸騰している
そんなことはどうでもいい
ミュージシャンは歌い続ける
歌に聞き惚れて テーブルにある余ってぬるくなったビール
しなびた枝豆のさや 食べ残されて乾ききった一本のウインナー


ミュージシャンは歌い続ける
仲むつまじき夫婦のミュージシャン
魚売りのミュージシャン
素晴らしきギタリスト
東京からやってきたピアニスト
そして いつものごとく熱く渋く語りかけるシンガー
個性のるつぼのごとく集まる客


そして 火曜の夜は暖かく過ぎてゆく