4/1の三日月はまるでゆりかごのように
その下にひとつの星が輝いている
まるで 月からこぼれ落ちた 種子のように


「種をまく人」の躍動感とは違って
静かだ
やがて だんだん西へと落ちてゆく
明け方には もう月が見えなくなっていた
その代わりに様々な星が
月を見ていたときには見えなかった様々な星が


まるで さっきの種子が花を咲かせたかのように


いつも思う 暗闇の中で音がするように
聞こえるはずのない静けさの音が


夜空はいつも穏やかに自分を包んでくれる
月は微笑み
星はなにかをささやいて


やがて 朝が訪れようとしている