誰もいない深夜 寒空の中
小さな円い木の露天風呂につかり
あたりの椿を眺め 草木を眺め
空を見上げると月


湯煙が漂い
さながら幻想の世界にひたる
かすかな雲が月と星をかすめ
湯煙が現実をぼかす


ゆったりと温めの湯に寝そべって
ただただこの幻想にひたる
何も考えず ただそれを受け入れ
この宇宙の中のものとなる


湯の中できらきらと漂う月